こんにちは!
今回担当させていただく八ツ本です。
「都市の社会課題を人と人とのつながりによって解決する」
このミッションに共感して集まってきたU26プロジェクトのメンバーですが、それぞれが異なるバックグラウンドや想いを持っています。
私の場合は、
― 地域ぐるみの子育てができるように、
人と人とのつながりのある社会を作りたい ―
このような想いからプロジェクトに携わるようになりました。
そこで今回は「地域ぐるみの子育て」をテーマにしたいと思います!
株式会社AsMamaさんの提供する「子育てシェア」サービスを取り上げながら、地域の中で互いに頼って子育てをするために大切なことを考えます。
■無縁社会で子育てをするということ
「弧育て」という言葉をご存知でしょうか。
「弧育て」
夫や親族の協力も得られず、近所との付き合いもなく孤立した中で母親が子供を育てている状態をいう。(goo 辞書より)
今、日本ではたくさんのママたちが「孤育て」に奮闘しています。
その実態は以下の通り。
・少子化社会のため身の回りに子どもが少なく、わが子を抱くまで小さい子どもの世話をすることがない
・核家族化で上の世代から子育てのアドバイスを仰ぎづらい
・地域のつながりが希薄化し、周囲を見渡しても子育ての相談をできる人がいない
子育てをしているとうまくいかなくて悩むこともたくさんあります。
そんなとき、誰にも頼ることができないとどうなるでしょう。
「この子には自分しかいない」というプレッシャー、
「自分が悪い」という自己嫌悪に、
だんだんと追い詰められていきます。
そのストレスの矛先が子どもに向かうと、
「児童虐待」という事態に発展することも…。
実際、児童虐待のあった家庭のうち4分の1近く(※)が、
「親族・近隣等からの孤立」
つまり「弧育て」の状態にあるということが分かっています。
無縁社会を生きる私たちU26世代にとって、「弧育て」は身近で深刻な問題です。
- 平成17年時点。参照:東京都福祉保健局「児童虐待の実態Ⅱ」
http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h20gaiyouhtml/html/gtoku.html
■株式会社「アズママ」(AsMama)の提案する「子育てシェア」とは?
そんな中、地域のママ同士が頼り会って子育てをすることを支援している会社があります。
株式会社「アズママ」(AsMama)です。
こちらの会社では、大きく分けて2つのサービスを提供しています。
①【送迎・託児を顔見知りで頼り合うSNS「子育てシェア」】
:「預けたい!」と思ったときに、オンライン上で知り合いの預け先を探すことができる。
1時間500円という値段や、顔見知りの相手に頼むことのできるSNSの仕組みが人気。
②【地域の親子が出会う・つながる「親子交流イベント」の実施】
:サイトに登録したパパ・ママたちが子どもとともに交流し、つながりを増やすことができる。
「アズママ」のサービスによって「弧育て」から解放されるママが増えています。
会員数は現在2万人を超えており、そのニーズの高さが伺えます。
■地域の中で頼り合う“仕組み”作り
「アズママ」は、互いに地域内で、頼ることのできる仕組みを作りました。「助けてほしい」人と、「力になりたい」人を結びつけたのです。
今日の日本社会は人間関係が希薄化した、
他人に干渉されることを嫌がる人が多い、
などと言われます。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
― “仕組み”さえあれば、互いに助けあいたい。
子育てをしているママたちの多くは、こう思っているはず。
「子育てシェア」サービスの利用者数が、それを物語っています。
子育てにおいて「頼る」ことは、悪いことではないと思います。
誰も頼れず余裕のない親よりも、人に頼って自分を大切にできる親に育てられるほうが、子ども自身が安心できるからです。
今、ひとり親家庭・共働き家庭、と様々な形の家族が続々と増えています。
どんな家庭に生まれても子どもがのびのび成長できるよう、地域の大人がつながって子どもを育てていく仕組みが必要です。
これからU26プロジェクトでも、理想の住まいを提案するにあたって「つながり作りの仕組み」を追究していきたいと思いますので、どうぞご期待ください!
参照:子育ては頼っていいんです!ワンコインの”子育てシェア”で、お母さんの働き方を切り拓く「AsMama」
http://greenz.jp/2014/02/21/asmama/
(文:八ツ本真衣)