NeighborsNext U26 Project2018 アイディアソンvol.1発表会@代々木


三井不動産レジデンシャル(株)のCSV活動の一環としてスタートした「NeighborsNext U26 Project」(以下、U26)。都市に住む人の暮らし方・つながり方の理想を、自分たちで考えつくりたいと集まった、26歳以下の世代によるブロジェクトです。都市の社会課題を人のつながりで解決することを使命にしています。

2018年度のU26メンバーが挑んだのは、「社会課題から都心型単身世帯向けマンションの進化を考える」。今回、舞台となるのは三井不動産レジデンシャル(株)が展開する、都心型単身帯向けマンションです。

U26メンバーは8月24日、4つの社会課題から1つを選び、それをマンションとコミュニティの力で解決する方法を考えようという「アイデアィソン」に挑戦しました。

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Neighbors Next U26

社会課題は以下の4つです。

・孤立せず、サポートしあえる社会(単身者の孤立・片親家族の孤立・LGBT差別等)
・健康弱者のいない社会暮らしづくり
・安全安心で活気のあるコミュニティ(低調する地域防災意識・地域防犯等)
・活気ある地域を作り、繋いでいく(エリア固有の文化の衰退・商店街の消失等)

これらを、都心型単身帯向け分譲マンションで実施すると仮定し、イベント実施・アプリ開発・共用部の設備や家具・マンションのルール、いずれかの方法で解決策を考えました。

メンバーの提案には、近所の神社や商店街と連携を取り、祭りやイベントに参加することで、居住者同士、また地域住民との交流を図るといったものや、メンタルヘルスケアをマンションで解決できないかと、写真アプリを活用して、廊下共用部に癒しを与える写真を展示し、居住者同士のコミュニケーションのきっかけにするといったものもありました。

他にも、防災倉庫にランニングマシンや筋トレグッズを置いて運動できるようにしたり、エントランスを金魚すくい会場にして夏祭りを開催したりといった共用部の活用に関する企画。また、居住者同士で質問し合ったり、コミュニケーションの回数によってポイントをため、商店街の利用に結びつけるというアプリや、留守中の居住者の部屋を共用部としてマンション内の居住者に開放し、ホームシアターや料理教室、ホームパーティーなどの会場として使えるようにするアイディアなど、様々な提案がなされました。

そして、10人のプレゼンの中から事務局 荒賞に選ばれたのは、以下の2人です。

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まず、根岸奈月さんの「姉妹都市・みなかみのリンゴを育てよう!プロジェクト」は、リンゴ生産量が関東最大の群馬県の中でも、生産量2位を誇るみなかみ町が物件所在地と姉妹都市(里・まち連携)であることに注目。同町では若年層の減少により高齢者が50%を占め、働き手不足であることから、マンション住民がみなかみ町のリンゴ生産組合に寄付をして、生産組合がリンゴの成長記と寄付金の使い道を新聞にしてマンションに宛てて発行するというプロジェクトを提案しました。年1回のイベントでは、ジャムづくりやリンゴ酒づくりを行い、生産者と消費者の交流やマンション住民同士の交流を図り、みなかみ町の認知を促す、継続的な顔の見える支援を考えました。

マンションの立地と行政が結んでいる姉妹都市に注目して発表した根岸さん

荒さんからは、プレゼンが見る人を惹きつけると好評でした。

「まず、基礎情報ちゃんと調べていることが素晴らしいですね。みなかみ町とマンションの課題、両方を結びつけるという面白くていい提案。リンゴに絞ったのがコンセプチュアルで、マンションの象徴になり得る可能性がある。実現可能性が一番高くて、マンションの住民が喜んでいる姿も想像できました。やりがいのある仕組みになるのでは。」

 

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もう1人は、新井侑子さん。「単身者の孤立化」という課題に取り組みました。

単身向けマンションでは、居住者同士の関係は挨拶止まり。そこで、挨拶以上の関係への一歩となる、共通の話題になるものを模索しました。その結果、思いついたのが次の2つです。

まず、自分の部屋以外の階に行く機会がないことから、特別な一杯を提供するコーヒーミルを置いたスペース、雑誌等を並べたインテリア廊下、ちょこっと運動できるスペースなど、他のフロアに行くきっかけを作るというもの。もう1つは、外からも注目されるようバルコニーをガーデニングなどでデザインして、マンションの周りを歩いている人と居住者を繋ごうという提案でした。

メンバーのなかで唯一ハードに踏み込んだ提案をした新井さん。

荒さんからは、ユニークな視点を評価されました。

「面白かったのは、イベントに頼らず、難しいハード面に踏み込んだ点。専有部と共用部をどう活かしていくかというのは、業界でも課題であるので、そこを攻めてきたのはいいと思います。できればエントランスのアイディアも聞きたかったですね。共用部、専有部、という当たり前のものを変えることで新しいものが生まれていくので、引き続き探求してほしいと思います。」

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Neighbors Next U26

メンバー同士でも、それぞれの提案に対して質疑や意見が積極的に出され、新しい視点やヒントを見つけるきっかけになったようでした。

今後の活動でも、さらなる成長が期待できそうです。