3つのイベントアイデアはどうブラッシュアップされていく?−−プレグリーティングに向けた中間発表


三井不動産レジデンシャルのCSV活動の一環としてスタートした「U26」プロジェクト。26歳以下の世代が、マンションにおいて将来の日本の社会課題を解決するソリューションとなるコミュニティをつくりだしていくことを目的に活動しています。

今年度のU26メンバーが挑むのは、「単身世帯とコミュニティの未来」。舞台となるのは、三井不動産レジデンシャルが展開する都心型小世帯向け分譲マンション『Park LUXE』シリーズです。

U26メンバーは同マンションにコミュニティを生み出すべく、イベントの企画・実施を行っていきます。8月15日の「アイデアソン」を経て、3案に絞られたイベント企画案。ここから、案ごとにチームを分け、企画をブラッシュアップしていきます。

プレグリーティングへのチェックポイント

U26メンバーは11月に「プレグリーティング」を行います。プレグリーティングとは、U26のOBOGに向けに、ロールプレイングを行うもの。企画からオペレーションなどを含め、実践を通してアイデアをブラッシュアップを行う機会となります。

プレグリーティングで得られた知見や経験は、Park LUXEの居住者向けに行うイベントへと活かされます。11月にプレグリーティングを開催するためには、9月中にイベントの骨子・コンセプトを固めなければいけません。U26メンバーは、その準備に追われていました。

チーム分けから一週間後の8月28日、途中経過の報告と共にコンセプトを固めるための発表の場が設けられました。今回の中間発表は、プレグリーティングに向けた1つのチェックポイントです。

U26メンバーそれぞれが1週間でまとめてきた内容を発表し、荒さん、猪股さん、渡辺さんからフィードバックを貰いつつ企画としてまとめていきます。

初心者からマニアまでみんなで日本酒を楽しめる場。チーム「日本酒」

まずは三井不動産レジデンシャル賞を受賞した、出身地の日本酒を切り口にしたイベントを企画する「日本酒」チーム。当初の提案と合わせ、これまでの進捗を含めた中間発表を行います。

「場のコンセプトは、初心者からマニアまでみんなで日本酒を楽しめる場です。日本酒の味がわかるようになったり、地理や歴史、水の知識などを日本酒を通して覚える場を目指しています。お酒を入り口に、顔と名前をリンク付けさせ、マンションの居住者が顔と名前を覚えるきっかけを作れればと考えています」

企画は、「地元」のお酒や食べ物を楽しむというもの。住人に出身地に関するアンケートを行い、回答の中から運営側で1つの出身地を選択。回ごとテーマとする「地元」設定し、誰かの「地元」にまつわるお酒や料理を楽しむことで、人を出身地とリンクさせて覚えてもらおうと考えました。

「当初の企画ではそれぞれの出身地のお酒を持ち寄るというアイデアでした。ですが、出身地がかぶってしまう可能性などを考慮し、テーマ制としました。当日のタイムテーブルは、挨拶や自己紹介の後、利き酒師や料理人などからお酒や料理の紹介。食事をしながらのフリートークを想定しています」

その他、お酒を飲めない人へは日本酒ベースの食べ物を用意することや、女性には日本酒が美容や健康にも良い点を押して集客することなどが語られました。

続けて、プロジェクトスタッフ側からのフィードバックです。渡辺さんからは不確定な要素をなるべく減らすようアドバイスをいただきました。

「もう少し、運営を想定して深くプログラムを検討する必要がありますね例えば、当日のプログラムがフリートークだと、居住者の方々同士でどう交流してもらうのかが課題になる。各回で出身地を絞るとアンケートを採るまでどのような結果になるのかわからない点も懸念です。運営負荷がが少ない形式でできるように、設計できるとよいですね」

続けて荒さんからは、出身地にこだわりすぎないようにというアドバイスがありました。

「コンセプトとコンテンツの間にギャップがあります。日本酒の会だったはずが、出身地の話をする会にも見えてきてしまっている。出身地というのはあくまでコンテンツの1つなので、もう一度『日本酒』という主軸に立ち戻って整理していきましょう」

バルコニーを活用してかっこいい暮らしを実現する。チーム「バルコニー」

次はHITOTOWA賞を受賞した、バルコニーを有効活用するためのイベントを企画する「バルコニー」チームです。バルコニーチームはバルコニーを有効活用し、「オトナスクール」というシリーズものとして居住者同士が継続的に関係性を築く場とすることを提案しました。

「想定ターゲットは『かっこいい自分でいたい』という人。コンセプトは、『かっこいい自分』でいるために学び続ける場です」

企画に向けて、チームでは事前にバルコニー活用を促す活動を行っている団体などを調査。バルコニーに設置するものをDIYで作るワークショップや、バルコニーにインテリアを展示する事例、バルコニーをすでに活用している人の座談会等の事例を紹介しつつ、ワークショップに絞って情報を固めていったそうです。

「会場はマンション側で問題が無ければ、屋上を活用したいと思っています。普段あまり知らない屋上を知るきっかけにもなりますし、ある程度の広さを確保できるためです。目標として重要になるのは満足度の高さ。『オトナスクール』として継続的にイベントを開催していきたいので、満足度を高め、次に繋げることを大切にしていきます」

発表の後、荒さんからはフィードバックと期待を込めた言葉がかけられました。

「企画はもう少し詰めなければいけないと思いますが、イベントのコンセプトや骨子は順調に進んでいる印象です。是非このまま進めてください。作り込んで行く上で重要になるのは『かっこいい自分でいたい』というコンセプトにある『かっこいい』の定義だと思います。もうすこしロジックを固めて、『かっこいい』を具体的に詰めていきましょう。そこが固まれば、やるべきプログラムや詳細も自然と決まってくると思います」

スムージー作りを通じて健康的に地域貢献と防災を。チーム「エシカルスムージー」

最後はU26事務局賞を受賞した、被災地の素材を使いスムージーを作る「エシカルスムージー作り」のイベントと、非常食をみんなで食べる「ごちぼう(ごちそう+ぼうさい)」イベントの合同チーム。このチームは2つの企画を1つの企画としてまとめ上げることが求められるため、少々難易度が高い企画となっています。

「私たちのコンセプトは『スムージー作りを通じて健康的に地域貢献と防災をしよう』です。エシカルという考えは引き継ぎつつ、地域の商店街という、より身近な要素に置き換え、健康を入り口にしました。そうすることで普段、社会貢献などに興味が無い人でも参加しやすいように調整を加えました」

食材面で地域の商店街と連携し、地域との交流や食材のエピソードを紹介するといったプログラムを入れられるよう、実際地元の八百屋さんとも話もすすめています。

「最初の提案時から話題に上がっていた『男性へどうアプローチしていくか』という課題を解決する手段としては、健康訴求を考えています。他にも、女性向けに見えないよう、募集ポスターやイベント名を男性と女性双方がターゲットとわかるようにするなどを検討しています」

細かい部分では、スムージーづくりには講師を呼び、講師の人を通して交流を生み出すことを想定。候補のリストアップに加え、タイムテーブルや想定予算感、開催場所などまで詳細にまとめられていました。

フィードバックでは、荒さんから男性目線をもう少しブラッシュアップした方がいいというお話が。

「企画自体はきれいにまとまって来ている印象で、20人くらいは来場しそうです。ただ、それを30,40と増やすには何か施策が必要になりそうですね。例えば、ランチ時間なので少し1品セットにして軽いランチになりそうなものにするとか。参加者はお腹が空くでしょうし、募集の工夫以外のコンテンツ内容の部分でも男性をもう少し意識した要素を入れられるとよいかなと思います」

猪股さんからは、スムージー作りをどう進めるかをさらに詰めていくことがより良いイベントへの鍵になるとアドバイスをいただきました。

「スムージーを作る中でどう交流を生んでいくかが、住民同士のつながりが生まれる鍵になるかなと思います。2人1組でペアを組んで必ず作業を進めるABC Cooking Studioの進め方はひとつ参考になると思いますので、是非チェックしてみてください。他にも講師の方も鍵になると思いますので、吟味できるとよいかなと思います」

プレグリーティングまで1ヶ月。果たしてどう仕上がっていくのか。

中間発表を終えた後、最後に荒さんからは3案を通し総論を語っていただきました。

「各チーム、着実に努力を重ねている印象を受けました。とはいえ、まだまだ解決しなければいけない課題はたくさんあります。一つずつ解決し、完成度の高いイベントを目指していきましょう」

ここから約1ヶ月、メンバーたちはプレグリーティングに向けグループワークやU-Schoolなどを通し企画をブラッシュアップしていきます。輪郭が見えてきたそれぞれのイベントは、果たしてどのようにかたちづくられていくのでしょうか。
今後の展開にも、乞うご期待ください!