旅と家とメタボリズム


こんにちは。こんばんは。
「旅行男子」ことU26の佐久間 大和(さくま やまと)です。

大学生生活最後の3月、卒業旅行やら、一人旅やら、色々な所に足を運びました。ですが、進学ということで勉学の為、残念ながら常にパソコンを手放すことはありませんでした。しかし、基本的にネット環境と少しの書籍さえあれば大抵のことはできるので、ストレスなく研究作業ができました。最近はノマドワーカーやフリーで活動している人も多く、こんな感じなのかなと背伸びした気分になりました。わざわざ人混みの多い都内に行かず、場所を選ばず働けることに憧れを覚えました。自身で土地を選んで仕事ができるようになりたいなと。そうなるとやはり将来はキャンピングカーのような移動可能な家が欲しくなります。

そこで、善は急げと、キャンピングカーについて調べてみました。すると、キャンピングカー以上の面白い「イエ」が見つかりました。

それは、SUS株式会社のt2(ティーツー)という居住ユニットです。

これは個人が生活に必要な最小限の空間で構成されていて、環境の変化に合わせて移設や移動をすることができます。個人それぞれの生活スタイルにあった、「代謝(メタボリズム)」する機能をもった家であり、これからの家のカタチの参考として興味が湧きました。しかもユニット1つだけならば戸建住宅ですが、集合させることで、集合住宅、街、都市にも発展していける可能性を秘めていると思います。

t2
これは1960年頃、提唱された思想「メタボリズム」の影響をとても強く受けています。55年前は技術力が追いつかずカタチにできなかった部分を技術が追いつき、現代風にアレンジを加えたものというイメージを受けました。

出典:「SUS株式会社」http://www.sus.co.jp

 

 

 そもそも「メタボリズム」とは。

1960年に開催された「世界デザイン会議」を機に、建築家の黒川紀章、菊竹清訓、槇文彦、大髙正人等によって結成されたグループのことです。メタボリズムが提唱され始めたのは、高度経済成長期へと移行した時代です。そこには理想の都市を通じて、よりよい居住環境をつくろうという思いもありました。

メタボリズムは、劣化や機能が合わなくなった部屋などのユニットを新しいユニットと取り替えることで、社会の成長や変化に対応し「代謝」を促進させるシステムです。

 

メタボリズム
一例を挙げると、新橋に今もある「中銀カプセルタワービル」は、居住に必要な機能を一つのカプセルに収め、そのカプセルを着脱することで都市環境の変化に対応するという思想を具現化させました。

出典:「wikipedia」http://ja.wikipedia.org/wiki/メタボリズム
t2や中銀カプセルタワービルの考え方は、今後の居住環境を模索する上で重要であると思います。社会の成長や変化に対応し、新式の居住環境の提案をいるからです。反面、これらは地域や居住形態の画一化等の問題の顕在化が考えられます。そうしたことから、ハード面だけでなく、ソフト面も考慮した上で、居住環境の概念を新たに生み出していくことが今後の課題であると思います。

P.S. トレーラーハウスが欲しくなりました。

参照:「森美術館 メタボリズムの未来都市 展」http://www.mori.art.museum/contents/metabolism/index.html
参照:「SUS株式会社」http://www.sus.co.jp
(文:佐久間大和)